『雪とくらし』は、「自然との共生と克服」を視点にして、雪による多大な影響を受けつつも、除雪・衣食住に独特の工夫をしながら、県内各地域でよりよいくらしを確保しようと努力した先人たちの姿を紹介します。
プロローグ
冬の町のところどころでは、雁木通りと雁木通りをむすぶトンネルが、雪に埋もれた道を横切っていました。
このトンネルが『雪とくらし』のプロローグとして再現され、雪国の雁木通りへと観覧者を誘っていきます。
雪国の町
雪のトンネルを出ると、そこは昭和30年代前半、高田市の雁木通りです。高田は世界にも希にみるほど雪の量の多い都市で、雁木発祥の地といわれます。雁木の総延長も日本一です。
雁木通り右側の道は雪に埋もれています。道を埋もれさせてしまう雪の量が、往来を確保するための雁木を生み出したことがよくわかります。機械による除雪を行うようになるまでは、昭和30年代でも、雪とともに生きる昔ながらの生活が続いていたことを観覧者は体感します。
雁木通りには、冬のくらしや昭和30年代前半の雰囲気を感じさせる店を3軒(荒物雑貨屋・一文店・下駄屋)、店内も含めて復元しています。
荒物雑貨屋の店先には、冬の生活必需品である除雪用具、防寒具などが並べてあります。その奥には、雑多な生活用品が並べられています。雁木には商品配達用のソリが立てかけられており、雪の降る時期の物の輸送がこれによっていたことを示します。
一文店には、昔懐かしい駄菓子や玩具の数々が並べてあります。
下駄屋に入って正面左が下駄を作る作業場です。右側は畳敷きとなっており、町場の生活必需品だった雪下駄などの履き物が商品棚に並んでいます。
一方、雁木通りの外では雪下ろしと雪かたづけの光景がくりひろげられています。雪が降り積もった屋根の上では、商店街の人々が雪トイを使って道路に雪を下ろしています。
道路の上では、屋根から下ろされた雪を、中央のソリ道の邪魔にならないよう、コスキを使って端に積み上げています。
雪国のくらし
江戸時代から昭和30年代まで営まれてきた、雪の中の伝統的なくらしがわかる展示です。
かつて町や村の人々は、豪雪に悩まされながらも、家屋や除雪用具、歩行具などに独特の工夫をして、雪とともにくらしていました。雪のための道具の形や大きさは、県内でも平野部と山間部などの地域によって少しずつ異なっており、また、新潟県と隣接各県でも違いがあります。これらを比較することにより、人々がいかに工夫して、その土地の環境に適応していたかを示します。
深い雪のなかでくらす人々には、雪国ならではの楽しみもありました。雪中での行事や独特の遊び道具など、雪国固有の文化を紹介します。
これらを通して、観覧者は先人たちのくらしを体感します。
豪雪の姿
県内各地の豪雪の様子を紹介するとともに、それに立ち向かってくらしている人々の姿を紹介します。
特に記録的な昭和36・38年の豪雪を映像により示します。
また、これ以後は鉄道・道路など交通機関を確保するための取り組みが本格的に始まり、人々の努力が払われてきたことを紹介します。
現代の雪国の姿
文明の力で雪を克服しつつも、先人の知恵を生かして雪と親しみ、利用していこうとする現代の人々の姿を紹介します。
昭和36・38年の豪雪をきっかけに、より生活に密着した様々な克雪の工夫がなされるようになった一方、多方面に雪を利用する知恵が模索され、雪がエネルギーとして使われていることを紹介します。
エピローグ
『雪とくらし』のエピローグとして、これまで見てきた伝統的な雪国の姿と、現代の雪国のあり方を対比して、変化の大きさを実感します。さらに、雪国新潟県の今とこれからを展望してしめくくります。